<フィリピン人を表す3つのF>
「フィリピン人」と聞いて、どのような人をイメージするでしょうか?
もちろん個人差はありますが、一般的にフィリピン人は「3つのF」で特徴付けられると思います。
今回は、知られざる「フィリピン人」の特徴についてのお話です。
1.Family(家族)
フィリピン人の最大の特徴が、「家族を大切にする」という点だと思います。少なからずフィリピンのことを知っている方であれば、このことに関して異論はないと思われます。
両親や兄弟姉妹を心から愛し、(日本人にとってはときに過剰と思えるほど)強い結びつきを保ちます。
家族の誰かがなんらかの必要に直面すると、その他の家族がサポートするために結束します。
たとえば一人の子供が大学に行った場合、両親だけではなく、兄弟姉妹たちも一緒に働いて学費を工面するといったことは日常的に行われています。
ある統計によると、フィリピン人の66%が毎日自分の配偶者に電話をかけているそうです。
これも少し昔の統計ですが、全世界で伝送される月間240億通にものぼるモバイル・メッセージのうち、その6分の1がフィリピンでつくられたものだそうです。
これは断トツの世界第一位です。彼らの多くは家族に対して毎日メールを送り、なにげないおしゃべりや近況報告などを行っています。
まだまだ経済的には豊かとは言えない国なので、生まれたときからずっと家族や兄弟がひとつの部屋で寝食をともにすることも多く、その中で強固な結びつきが育まれていくのだと思います。
もちろんこれが全て良いというわけではありません。
「自分が困難に陥ったら、家族の誰かが助けてくれる」
という安易な依存心を助長しているケースも少なからずあるからです。
しかし、家族と苦楽を共にする生活を見ていると、日本人が忘れかけている家族愛の姿を垣間見せられる気持ちになるのも事実です。
2.Faith(信仰)
以前の記事にも書きましたが、フィリピン人はアジアで唯一「キリスト教(カトリック)」を国教とする国でもあります。
400年にもわたる長いキリスト教の歴史を持ち、人口のおよそ9割がキリスト教徒であり、日曜日ごとに多くの人たちが教会に足を運んでいます。
このキリスト教はフィリピン人の価値観のバックボーンとなっているだけではなく、政治・経済などにおいても非常に大きな影響を及ぼしています。
カトリック教会の力は絶大で、これまで離婚はおろか避妊も一切認められていませんでした。
人口の爆発的な増大に危機感を覚えた政府が主導して、ようやく昨年になって「RH法(リプロダクティブ・ヘルス法)」が成立し、これによって「公立学校や保健センターなどで性教育を実施すること」が可能となりました。
カトリック教会の強い反発のため、この法案は可決までに14年もの歳月が必要でした。
また、キリスト教の一大イベントである「クリスマス」に関しては、世界で一番はやい時期から準備がはじまります。
9月になると町中にクリスマスムードがただよい、ショッピングモールなどではクリスマスソングが流れ始めます。
数え上げればきりがないほどキリスト教信仰とフィリピン人には切り離せない関係があるのです。
だからと言って「みんながみんな厳格な信仰を持っているか?」というと、決してそうではありません。
むしろ、南国気質のおだやかな性格とキリスト教信仰があいまって、「神様がなんとかしてくれる」という楽天的な価値観が文化として根ざしているようにも感じられます。
「バハラナ」という言葉がありますが、これはまさに「なんとかなるさ」「しかたないよ」「神様がどうにかしてくれる」といった諦めともつかない彼ら特有の感覚です。
つまり、約束どおりことが運ばなくても、停電や断水などが長時間起こっても、仕事でミスをして首になっても、「バハラナ」という一言で片付けてしまう、限りなく前向きで楽観的(能天気?)な性質を持っているわけです。
時間や約束などに几帳面で、計画立てて物事を考えがちな日本人からすれば、「バハラナ」で片付けてしまうフィリピン人に対して「もっと心配しろよ!」と思ってしまうこともありますが、
「フィリピン人は今日をどうやって楽しく過ごすかを考える。日本人は明日のことを考えて心配するのが趣味みたいだ」
と以前言われたことがあるように、日本人とフィリピン人の考え方のどちらがいいのか、簡単に答えは出なさそうです。
3.Friendly(フレンドリー)
最後の一面は、フィリピン人のフレンドリーさです。
彼らはとにかく陽気です。ショッピングモールなどでは、レジをうちながら歌を歌っている店員をよく見かけます。
道を歩いていると、気さくに手を振ったり声をかけてくる人たちがたくさんいます。
もちろん全員が純粋な意図でそうしているわけではないかもしれません。なかには、「外国人はきっと金持ちだろうから知り合いになりたい」といったよからぬ下心をもってあえてフレンドリーにふるまってくる人たちがいるのも事実です。
しかし、一般的に彼らの人なつっこさは天性の気質によるものだと思われます。
当校に来た生徒さんたちも、「先生たちがとてもフレンドリーで楽しかった」と感想を述べてくれる人がたくさんいます。
もっと言うなら、フィリピン人の多くは「あえて自分を隠したり飾ったりすることなく、オープンな性格」なのだと言うこともできます。
日本人と比べると、喜怒哀楽がとてもわかりやすく、些細なことでも大笑いし、些細なことでひどく意気消沈し、しばらくすると「バハラナ」で「なんとかなるさ」と気持ちを切り替えます。
日本人は比較的シャイな性格な人が多いと思いますが、当校の先生やスタッフたちはとても気さくでどんどん話しかけてくるので、知らず知らずのうちに相手のペースにのせられてついついこちらも「いっぱい話して」しまいます。
しかし、英語学習にとってこの「いっぱい話す」ということは本当に重要なことなので、フィリピン人のフレンドリーさは生徒さんの英語力向上において大きな助けになると思います。
今回の話は、あくまでも一般的なフィリピン人の側面であって、もちろんすべての人にこれが当てはまるわけではありませんが、家族思いでフレンドリー、そして信仰的?な彼らの良さを知っていただき、フィリピン留学に興味を持っていただければと願っています。